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メインテナンスの必要性

  • 2022.05.02
  • #治療

皆さんは歯科医院でメインテナンスは受けていますか?日本でも予防歯科は徐々に浸透してきたことで、お口の中への予防意識は高まってきています。

では何故、家で歯磨きをしているのに、お口のメインテナンスは必要なのでしょうか?

それは家でのオーラルケアだけではコントロールできないものがあるからです。



メインテナンスで重要になるものは、大きく分けて、虫歯、歯周病、噛み合わせ(咬合)といったところです。


虫歯の予防という観点からいくと、子供の虫歯予防をイメージされる方が多いかと思います。確かに虫歯が進行しやすい時期などもありますが、虫歯の予防の必要は大人にもあります。

虫歯のリスクは食べる物や生活習慣によっても左右され、お口の中の虫歯菌の量など口腔環境だけの問題ではないことも少なくありません。

仕事や子育てなどで忙しく、お昼の磨く時間がない、夜そのまま寝てしまう、ストレスや緊張で口が乾くなど、環境的要因によって虫歯のリスクが高まってしまう場合もあるのです。

また高齢の方に関して言えば、歯周病によって歯茎が下がって露出した歯根面(歯の根)は虫歯に対する耐性が弱いのです。

年齢は関係なく自分の口腔のリスクタイプを理解して、プロケア、ホームケアをすることが重要なのです。

次に歯周病。歯周病は成人の8割近くが罹患しているとも言われる社会的な疾患なのです。初期段階では全く自覚症状もなく、重度歯周病になり手遅れになってから気づくこともある恐ろしさがあります。歯周病の割合は年齢を重ねるほどに、その割合は多くなります。ですが20代でも気づかないうちに罹患している方もいるのも事実です。

歯周病は重度になると独特の匂いも発する為、口臭にも大きく影響してきます。自覚症状がなくとも周囲の方があなたの口臭を気にしていることもあるでしょう。

またマスク習慣が日常化したことで、自分の息を気にする方も増えてきています。

疾患の予防という意味でも大切ですが、オーラルエチケットの意味でもメインテナンスを考えてはいかがでしょうか。

次に噛み合わせ。噛み合わせと聞くと、歯並びをイメージする方もいるかと思いますが、今回話すのは「噛み合わせの力」に関してです。

噛み合わせの力は食事の際に重要な要素の一つですが、行きすぎた過剰な力は害をなすことがあります。

最近よく悩みを聞くのは歯軋り、食いしばりです。過剰な咬合力により、歯自体に痛みを感じたり、顎が痛いと訴えられる方もいらっしゃいます。噛み合わせのバランスが悪かったり、咀嚼筋という咬む力を発揮する筋肉の緊張があるところはメインテナンスでバランスをとることが大切です。

天然歯も被せ物な詰め物も変化するため、その変化を見定めるこを歯科医院では定期的に行なっているのです。

他にも、唇、舌、頬の粘膜など、腫瘍をはじめとする口腔粘膜疾患は御自信で見つけることの難しいもののチェックなども併せて行っているのです。

さて、噛み合わせや粘膜疾患はさておき、虫歯や歯周病といったものは、家で歯磨きをしているのに何故メインテナンスが必要なのでしょうか?

虫歯、歯周病の原因菌は違えど、根本的な原因は磨き残し(バイオフィルム)です。

家で磨いているし、歯医者行く意味あるの?


 

あります。

家で「磨いている」とは思いますが、、、

果たして「磨けてますか?」

9割以上の方が磨けていません。正確に言えば磨けていない場所がある、、、といったところでしょうか。

どんなに綺麗にしている方でも口腔全体の数%は磨き残しはあり、100%取りきることなど不可能です。

丁寧にケアしている方こそ、そのことを知っているからこそ必ずメインテナンスにいらっしゃいます。予防のプロである歯科衛生士自身がメインテナンスを受けているのですから間違いありません。

成熟したバイオフィルム(磨き残し)は病原を3〜4ヶ月で持ち始め、ホームケアで取り除くのは不可能なのです。歯科医院で3ヶ月から4ヶ月でメインテナンスを促すのには、そういった裏付けがあるからなのです。

とは言え、メインテナンスは3ヶ月に一回どとしたら年にたったの4回。ホームケアは365日毎日行うので大切なことに変わりはありません。

だからこそ、自分のリスクタイプを知った上で、相性の良い、効果の出るホームケアグッズを使って欲しいと切に願います。



 

ではメインテナンスで予防すべき事はわかりました。具体的にどう予防していきましょうか。


 

虫歯については、基本的に磨き残しを取り除ければ原因は除去できますが、先に話した通り、磨き残しは誰にでもあります。そこでよりリスクを回避する為に取り入れたいのが「フッ素」です。

フッ素は歯の組織を強くする効果があり、虫歯菌による酸で歯の組織が溶けにくくなります。歯自体を強くすることで予防するという手段です。

フッ素には他にも虫歯菌の活動を抑制する効果もあります。メインテナンス中の方はもちろん、広範囲で虫歯治療が必要な方にもおすすめしています。

理想的にはホームケアでのフッ素+プロケアでの高濃度フッ素の施術です。ただ、ホームケアでのフッ素の適応に関しては適切なフッ素濃度というものがあります。特に子供のフッ素は濃度を年齢別に見てあげる必要があります。ケアグッズは予防歯科のプロ歯科衛生士に問い合わせ下さい。

次に歯周病ですが、こちらも虫歯同様に根本的原因は磨き残し(バイオフィルム)にありますので、汚れのケアが大切です。

メインテナンスでよく見ているのは歯茎の出血状況です。出血や排膿が見られる箇所は炎症があるサインです。こういった場所では歯茎の深いところ(歯周ポケット)に縁下歯石という黒い歯石がついていることも多く、状況に応じて取り除かなければなりません。これはホームケアでは取れません。

歯茎の深い位置で歯周病が進行してしまうと、歯周外科処置などの必要があるステージに移行してしまう場合があるので、その前に病態を安定させて留めておきたいものです。

ホームケアでは磨き残しの柔らかい汚れをケアし、歯科医院でのプロケアでは固まった歯石やこびりついたバイオフィルムを除去するといった形が理想といえます。

ホームケア歯磨き粉に関しては歯周病なのにフッ素歯磨き粉を使っていたり、虫歯なのに歯周病予防の歯磨き粉を使ったりと、合っていないケアの仕方をされている方が多数いらっしゃいます。ドラッグストアなどで多くの商品から選択するのは至難です。まずは自分のリスクタイプを知りましょう。

最後に噛み合わせに関してですが、これはホームケアでの予防は難しいので、プロの目で噛み合わせのバランスの異常がないのか診察してもらいましょう。

被せ物なども永久的な素材ではないので劣化します。そのサインを見逃さないようメンテナンスを受けましょう。

噛み合わせに関することで、最近、TCH(歯牙接触癖)の疑いのある方をよくお見かけします。これは、歯牙が長時間、日常的に当たっていることで、歯の痛みや筋肉の強張り、顎関節症状などが現れるものです。

ホームケアできるものとして、歯が当たっていたり、食いしばりに気づいた時、力を抜き歯が当たらないよう心掛けることです。

歯の接触は正常な場合には一日通しても食事や会話の時のみで、わずか20分程度なのです。

ストレスが原因という説もあるのでストレス発散できることをするのも良いでしょう。

その他、メインテナンスで誤解されやすい事だとインプラントや入れ歯にメインテナンスが必要ということです。人工物こそ天然組織に比べ、精巧ではないのでメインテナンスはより大事になることを知ってほしいです。

長々話しましたが、定期的に歯科医院にメインテナンスで通う理由の一部でも伝われば幸いです。

大きな治療になれば保険治療と言えど金銭的負担は多くなります。医療費の負担を減らす意味でも定期的なメインテナンス、長期予後を見据えた治療法の選択を当院では推奨致します。



 

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