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補綴前処置としての矯正治療について

  • 2022.09.29
  • #治療
当院ではセラミックなどの被せ物(補綴治療)を行う上で術前に矯正治療をお勧めする場合があります。
今回はその必要性、おすすめする理由についてご説明します

歯並びなどの見た目を治すにあたり選択肢としてよくあるのが矯正治療とセラミック治療です。矯正治療は期間がかかるものの天然の歯を削らずに見た目を回復することができます。

一方セラミックで歯並びによる見た目の改善を図ろうとすると、時間は矯正治療よりも短縮され短期で美しさは手に入りますが、天然組織を削る量は増えてしまい、場合によっては神経を取らなければならない場合もあります。

どちらの治療も一長一短がありますが個人的には大幅な歯並び改善が必要な場合には矯正を行い、それで不十分な場合に最小限の切削でセラミック治療を行う手法をおすすめしています。
全ての歯を削りセラミックで美しくするいわゆるセラミック矯正というもので手に入るものは短期間の美しさであり、長期に歯を保存する意味では不利に働きます。天然歯保存を謳う当院としてはお勧めしかねるので、患者さんの希望があったとしても極端に組織の犠牲が多い場合には生体のことを考えメリットが見出せない場合には治療をお断りすることもあります

とはいえセラミック治療を施さないと矯正治療単独では機能や審美性の改善ができないことがあるのも確かです。

当院でもセラミック治療が多く行なって来ましたが矯正後のちょっとした噛み合わせや被せ物の見た目の回復などの調整などでセラミックを用いる場合があります。

セラミックをはじめ被せ物を施すにあたり、土台となる歯の向き、歯茎のライン、炎症のコントロール、清掃性などあらゆる条件を好条件に持っていき予後を良くするための準備が補綴前処置と呼ばれるものです。この一つに矯正が含まれます。
矯正治療を補綴前処置としての用いることで、歯の向きをある程度揃えて歯の削る量を軽減できることが最大のメリットでしょう。セラミック単独では神経を取らなければならないものも守ることができます。歯の神経を取ると、歯の破折リスクが高まり抜歯リスクも上がります。つまり術前矯正により結果、将来の抜歯リスクを軽減できます。
また被せを長持ちさせる意味でも矯正は役立ちます。セラミック治療予定の歯と反対側の歯(セラミックと噛む歯)の歯並びが悪いと力が集中して被せが取れたり、被せが割れたりする原因となります。セラミック自身を長持ちさせる意味でも矯正は役立ちます
そのほか矯正により歯肉ラインを整えたり、歯の力や炎症に対する条件を良くするといった効果もありますが、過去の意図的挺出の話で説明していますので今回は割愛します。


セラミック単独の治療であまりにも歯を削る時には、矯正もオプションとして考えることも大切です。

まずは削る前に診断用WAX up(過去の投稿参照)など術前シミュレーションで術後のイメージを理解することが重要です。治療法に不安を感じた時にはセカンドオピニオンを活用しましょう





 

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