EMS導入
- 2023.09.18
- #研修セミナー
本日は当院で新たに導入した歯面清掃機のEMS(エアフロープロフィラキシマスター)の実機を用いた実習を行いました。
EMSのコンセプトや使い方など丁寧にご指導いただきました。
実習時間を多く確保したことで、導入機材の取り扱いだけでなく、歯科衛生士の基本手技の確認もでき全体的なテクニックの向上ができました。
また、実技実習前の講義でも、EMSのコンセプトはもちろん、予防歯科の考え方を改めて勉強させて頂きました。
EMSエアーフローはプラークやステインを除去するだけでなく、歯周病や虫歯の根本的な原因となるバイオフィルム(細菌の塊が膜状になったもの)を取り除きます。クリーニングにより天然歯質や補綴物(セラミックなど)を傷つけるリスクも少なく安心して施術を受けれます。また、温水が出ることで知覚過敏の症状のある方は、より快適にクリーニングを受けることができます。
私たちも実際に相互実習を体験して、歯がツルツルになりました。皆様にも是非、体感して頂きたいものです。
本機械のコンセプトをご紹介します。
GBT(GUIDED BIOFILM THERAPY)
このEMS(エアフロープロフィラキシスマスター)は、GUIDED BIOFILM THERAPY(ガイド付きバイオフィルムセラピー)のために開発された最新のEMS製品です:齲蝕予防、歯周病予防やメインテナンスのための解決策です。
GBTとは?
Guided Biofilm Therapy(GBT)は、エアフロー、ペリオフロー、ピエゾン技術を用いた、プロによる歯面清掃のバイオフィルム除去ソリューションです。科学的エビデンスに基づいてEMSが提唱しています。
Guided Biofilm Therapyは、よりよい臨床結果を追求するために患者さん個人の診査とリスクアセスメントに基づいた複数のプロミコールから成り立っています。侵髪性を抑え、より快適・安全かつ短時間で治療できるように設計されています。
口腔内のバイオフィルムが疫学的な主因となり、歯周病や齲蝕、インプラント周囲の発症を引き起こします。歯周病がリスクを高める全身性疾患は、循環器や呼吸器系疾患、関節炎や糖尿病などです。一般的な口腔衛生に臨床家による処置を組合わせることで、バイオフィルムを抑制し、口腔および全身のより健康管理を実現させることが可能になります。
1970年代にアクセルソンとリンデは予防歯科学を確立し、「リコール時間」におけるプロフィラキシスに基づく研究研究や臨床プロトコールを発表しました。
GBTは、ヨーロッパ歯周病学会提唱の以下の推奨に従っています
プロフェッショナルによる機械的なプラーク除去(PMPR)
ホームケアのための口腔衛生指導(OHI)
より良い毎日のために、お口の中の健康にも気をつけましょう!
GBTの流れ
01 評価と感染予防
全ての処置歯(天然歯)とインプラント補綴における口腔衛生対策:
・まずは洗口液で洗口する
・歯・歯肉・歯周組織を評価する
・インプラントとインプラント周囲組織を評価する
02 染出し
バイオフィルムの可視化:
・染出し液で染出しされたバイオフィルムと問題のある部位を患者さんに説明する
・染色がバイオフィルム除去の目安になる
・バイオフィルムが除去されると、歯石の検出が容易になる
03情報提供
患者さんの意識向上と指導
・予防の重要性を強調する
・口腔衛生について患者を指導する
・個々の患者さんに合わせた清掃器具を推奨する
04 歯肉縁上・縁下のエアフローMAX
バイオフィルム、ステイン、早期歯石を除去
・天然歯、修復物、インプラントには、エアフローを使用する
・14umのエアフローパウダープラスを用いて、歯肉縁上、最深4mmまでの縁下のバイオフィルムを除去する
・エアフローパウダーレモンを使用して、エナメル質上に残っているステインを除去する
05 歯肉縁下のペリオフロー
4mnから9mmまでの歯周ポケット内にあるバイオフィルムを除去:
・ 天然歯の深いポケット内、根分岐部やインプラント周囲粘膜炎には、エアフローパウダープラスを使用する
・ポケットの深さがわかる目盛り付きのペリオフローノズルを使用する
06スマートピエゾンとPSチップ
残った歯石の除去:
・歯肉織上と緑下10mmまでには、低侵襲のピエゾンチップPSを用いる
・10m以上のポケットにはミニキュレットを用いる
・緑下3mmまでのインプラント補綴周囲や修復物には、ピエゾンチップロを使用する
07指差し確認
患者さんを笑顔に:
・バイオフィルムの取り残しがないかどうか最終確認をす
る
・歯石が完全に除去されたかをチェックする
・顔蝕の有無を正確に歯科医師が診断する
・歯面にフッ素を塗剤して保護する
08メインテナンス
歯肉の健康=生活の向上:
・リスク分析に従い、メインテナンス時期を計画する
各歯科分野におけるGBTの役割
一般歯科
・GBTは、バイオフィルム管理のための専門家の歯科予防における新しいアプローチ
・GBTは、歯周やインプラント周囲の疾患予防のための手順書(プロトコール)です
・GBTは、口腔衛生を維持し、全身疾患(循環器や呼吸器系疾患、関節炎や糖尿病)予防において重要な役割を果たします
・GBTは、脱灰やカリエスの早期検出を促し、侵襲性を抑えます
矯正歯科
・GBTは、様々な矯正装置の予防・メインテナンスに対応する系統だったアプローチです。
・GBTは歯肉の過成長、歯肉炎および後退を妨げる。
・GBTは脱灰や麺蝕の早期発見とその後の予防に役立ちます。
・GBTは、歯列綺正装置の完全性の維持を助け、バイオフィルム蓄積を抑えることが期待できます。
インプラント
・GBTは、インプラントのメインテナンスのソリューションとして効果的です
・GBTでインプラント周囲粘膜炎を治療することによって、インプラント周囲炎の発症予防に役立ちます
・GBTは、インプラントのライフサイクルにおいて、治療前から治療後まで幅広く対応します
小児歯科
・GBTでは、患者さんの快適性を重視しています
・GBTは、若年の患者さんの動機付けや口腔衛生に対する意識づけを支援します
・GBTは臨床家に対する信頼を高め、長期的なリコールを促進します。それによって、天然歯の保全に役立ちます
・GBTは患者教育、カリエス予防、早期発見に適したツールです
審美歯科
・GBTはベニア、クラウン、審美的な修復物を維持するための効果的かつ低侵襲性の方法です。
・GBTは、ホワイトニング、修復物、印象採得に先立つ処置。
歯周病
・GBTは、非外科的歯周治療の不可欠で重要な一部を占めています。
・GBTは、外科手術の前の準備手順の一部です。
・GBTは、臨床家が患者さんの信頼を得られるよう支援し、さらに治療に対する患者さん
の動機付けを奨励します。
・GBTは、歯周治療後の長期間にわたるメインテナンスにおいて重要な要素です。
・GBTは、侵襲性を抑えるため、知覚過敏の患者さんにも適用可能です。
・GBTは、高い精度と安全性で質の高い治療を実現します。
・GBTは、患者さんの快適性を重視します。
高齢者歯科
・GBTは、炎症を起こした組織、退縮、朝蝕、修復/補綴
物、インプラント、口腔乾燥症および口腔ケアに悪能響をあたえる身体能力の低下など、様々な状況の組み合わせを有する高齢者にとって適した解決策です。
・GBTは、患者の信頼と動機づけを高めるのに最適です。
・GBTは非常に優しく、高齢者にとって安全です。
根管治療(歯内療法)
・清潔な環境で歯内治療を行うために、事前のGBTをお勧めします。これにより細菌の総量が減り、感染のリスクを抑えることが期待できます。
・GBTは、治療後のクラウンとブリッジを維持し、状態を安定させるために必要です。
口腔外科
・あらゆる外科的処置の前後に、バイオフィルムを除去して清潔な環境を確保する目的で、GBTをおこなうことを推奨します。
GBTの目的:
健康な歯の維持
GBTでは、手用器具や手間を最小限に抑えることが期待できます。
エアフローは、さまざまな歯科組織に対する侵襲性を抑えます:象
牙質、セメント質、エナメル質、歯肉など。歯面への侵襲性を抑えつつ、患者さんの快適性を追求します。その結果、患者さんが天然歯やインプラントを長く維持することに寄与します。
矯正装置の維持
嬌正装置は、日々の歯磨きや通法の歯科清掃では届きにくい部位があるため、バイオフィルムの増殖を招きがちです。バイオフィルムは、ワイヤーの摩擦や歯肉炎、カリエスを誘発します。エアフローをプラスパウダーと一緒に用いると、問題の起こりやすい部位に清掃が届きやすくなります。歯や綺正装置を傷つけず、効果的にカリエスや過形成を防ぎます。
齲蝕予防
バイオフィルムは肉眼で確認が難しいため、染出して可視化することで除去が容易になります。GBTによって、子供や成人のカリエスや歯肉の病気が予防しやすくなります。バイオフィルムがない゠カリエスになりにくい、状態です。
染出された象牙質を清掃
象牙質上に染出しされたバイオフィルムをエアフローパウダープラスを使用して除去し、染出しの色が消えたときに手順を停止します。GBTは、直視下で侵襲性を低く抑えながらメインテナンスを行う唯一のプロトコルです。温水と一緒にエアフローパウダープラスをもちいることで、より快適でより痛みや不快感を抑えた治療がおこなえます。
う蝕の早期発見
歯間部、小富製満などのラバーカップやブラシで容易に清掃できない領域で、鮮魚は発生することが多い。
エアフローはそれらの清掃
が難しい領域を清掃することができます。エアフローの後の検査では、されいに清掃された表面上で簡触をより正確で正確に早期検出ができるようになります。また、フッ化物などを、されいな歯面により簡単に塗布できるようになります。
審美修復物の保全
特に審美修復物にとっては重要な要素である歯肉の退縮を防ぐために、バイオフィルムの除去は定期的におこなうべきです。GBTは修復物の辺縁からパイオフィルムを効果的かつやさしく除去し、患者さんの笑顔を守ります。GBTは、ステインや着色を防ぎます。
健康な軟組織の保全
GBTのステップ4では、エアフローを用い、侵製性を極力抑えながらパイオフィルムを除去します。エアフローパウダーブラスは、歯肉や他の軟組織に対してやさしいことが知られています。対照的に、回転器具や手用具は歯肉や他の軟組織に対して損傷を与える可能性があります。
インプラントの維持
GBTは、インプラントの表面にもやさしく侵襲性を抑えます。ステップ4の歯肉線上・緑下のエアフロー、ステップ5の歯肉縁下のペリオフローでは、パウダープラスを用い、インプラントの表面をやさしく清掃します。金属製の手用器具では、傷を作る可能性があります。
歯肉炎の治療
エアフローパウダープラスは、歯冠および裂薄からバイオフィルム
および早期歯石を簡単かつ安全に除去します。PIEZON®PSチップ
は、残った歯石を優要性を抑えながら除去します。
粘膜炎の治療
エアフローをパウダープラスと一緒に用いると、インプラントの周囲組織に対してやさしく、インプラント表面の四凸からバイオフィルム除去をおこなうことができます。GBTはインプラントのメイン
テナンスにおいて非常に優れた手法です。
歯周病の治療
エアフローパウダープラスと一緒にペリオフローを用いると、歯周メインテナンスにおいてセメント質を保全することができます。深い残留ポケット内の歯肉縁下バイオフィルムを効果的に除去します。PSチップを用いると、侵襲性を抑えつつ、残留した歯石を除去できます。最終チェックをおこない、歯石が残っていないかどうか
確認します。
インプラント周囲炎の治療
エアフローパウダープラスとペリオフローを用いると、インプラント周囲の出血を抑えながら歯肉緑下のバイオフィルムが除去できます。PIチップを用い、インプラント表面を保護しながらアバットメント周囲の残留歯石を除去します。
📍 上越インター前
生体に調和した機能美を目指す予防型歯科医院 》》 デンタルオフィスK
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