知覚過敏
- 2021.11.29
- #治療
皆さんは歯がしみることはありますか?
歯がしみる原因は必ずしも虫歯とは限らず、知覚過敏に起因することもあります。この知覚過敏、だいぶ一般的に浸透してきた言葉ではありますが実際どういったものなのでしょう?
知覚過敏とは歯に触れたり、水や風などの刺激で歯に一時的に感じる痛み(一過性疼痛)のことを言い、虫歯(う蝕)や神経(歯髄)の炎症などといった病変が無い状態です。
では、なぜ病変が無いのにしみるのでしょうか?
それは『象牙細管』という神経まで交通する歯の穴です。最近のCMなんかでは「知覚ホール」なんていう表現もされてます。造語でしょうが、イメージし易い良い表現だと個人的には思います
この象牙細管は歯の構造上、感覚を身体に伝える大事な役割を担っている健常組織で、健康な状態ではエナメル質という歯の硬い構造や歯茎(歯肉)に覆われています。しかし、歯周病や加齢、強いブラッシングなどで歯茎が下がったり、強い噛み合わせ(咬合性外傷)、歯ぎしり、くいしばり、過度なブラッシング(歯磨き)などで硬いエナメル質が削れたりすると外部に露出します
それにより露出した象牙細管(知覚ホール)に直接刺激が加わることで過剰にしみる症状が現れてしまうのです。
他にのホワイトニングの副作用として症状が出ることもあります。
ではどうやって知覚過敏を治療するのか?
刺激を通す『象牙細管』を塞げば良いのです。
手段としては
・知覚過敏用の歯磨き粉を使用する。
・薬剤を患部に塗布、コーティングする。
・マウスピースで予防する。
などが考えられます。
まず、簡単にできるのは歯磨き粉でしょう。乳酸アルミニウム、硝酸カリウムといった薬剤を含み、これらの成分は歯の神経につながる歯の穴(象牙細管)を埋めたり、歯のまわりにバリアを作り、痛みの伝達を抑制・緩和しますたかが歯磨き粉と思うかもしれませんが自分の症状に合っているものを使用できている方は多くはありません。しみる症状に対し、白くなる効果の物や研磨剤が粗い(歯磨き粉に入っているツブツブが粗い)ものの使用はかえって症状を悪化させてしまうこともあるのです。
口腔内の処置としては患部に薬を塗布しコーティングすることも多いです。象牙細管を封鎖する薬を直接塗布したり、それでもしみる時には歯の表面を一層コーティングしたりします。コーティングに関しては歯磨きなどですり減ってくると効果がなくなってくることがあります。ただ、その間に歯の再石灰化(唾液の作用によりエナメル質が修復される)や二次象牙質の形成(外部刺激から歯を守ろうと歯の内側に新たに体が自ら硬組織を作る)などが起こり知覚過敏が緩和されることもあります。このように自然に生体の反応により症状が良くなることも期待できるのです
ただし大きな組織の欠損の場合にはレジン修復(プラスチックの詰め物)などが必要になりますし、あまりにも強い症状の時には神経を取ることもありますが、あくまで最終手段と考えて良いでしょう。
歯軋りなど強い力により知覚過敏の出現した方は患部以外の場所も将来的に同様の症状が出る可能性が高いです。原因を取り除かなければなりませんが、歯軋り・食いしばりなどは生理現象のためあくまで習慣の改善やマウスピースで組織に直接ダメージがかかるのを防ぐようにするしかありません。必要に応じて当院でもマウスピースを予防的に使用して頂くことがあります
知覚過敏は急激に改善することもあれば原因次第では解決に時間がかかったり、うまく付き合っていかなければならないケースもあります。まずは、かかりつけの歯科医に相談し診断を仰ぐことをお勧めいたします。
📍 上越インター前
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