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歯周組織再生療法

  • 2022.01.11
  • #治療

最近、問い合わせの多い歯周組織再生療法(歯周外科)についてお話しします。


『歯周組織再生療法』とは歯周病によって失われてしまった歯槽骨、セメント質、歯根膜などの歯を支えている組織を回復する治療法です


 

重度に進行した歯周炎により抜歯の適応となるものも多いですが、条件次第では歯周組織再生療法で回復を望める場合があります。


 

歯周組織再生療法は外科的な処置となります。歯肉を切開・剥離した上、歯槽骨欠損部の不良肉芽組織・縁下歯石などの汚れを徹底的に綺麗にし、再生材料のエムドゲインゲル塗布します。剥離した歯肉を元に戻し縫合して終了とします。


 

エムドゲインは歯の発生期に関わるエナメルマトリックスタンパク質を含んでおり、このタンパク質が再生を促してくれます。生体材料に不安をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、販売開始から20年以上が経ち、200万以上の症例実績や600以上の臨床文献、1000以上の学術文献の統計も出ている材料であります

私の実際の臨床ケースの予後を見ていても非常にいい成績であると感じております。


ただし、歯周組織再生療法も全症例に適応するものでもありません。歯槽骨の欠損の形態や歯肉退縮が著しい場合などには向かないケースもあります。また虫歯の進行が著しい、歯根が破折しているなど歯周組織以外の要因のものに対しては適応しません


 

それから磨き残しが日常的に多い場合も適応外となります。これは歯周外科処置全般に言えることですが、日常的に不衛生な部位には外科処置はかえって逆効果です。ましてや人工物を入れた場所に感染を起こせば、術前以上に欠損を引き起こすリスクがあります。そのため日常的なプラークコントロール(歯磨き)の維持が最重要となりますので、患者さんの協力が必須となってきます

ホームケアを維持しつつ、歯科医院では歯周基本治療を徹底的に行い、ある程度歯肉の炎症をコントロールした上で歯周組織再生療法などの歯周外科処置に移行することが重要になるのです。


歯周病で抜歯しなければと諦めていた歯を歯周組織再生療法で保存できる場合もありますので、診査を受けてみる価値は十分にあると思います。当院の場合、術前にレントゲン診査(必要な場合にはCT画像診断)、歯周精密検査、口腔内写真検査などを行い、適応か否か診査します。


もちろん外科処置に抵抗がある方には非外科処置でコントロールする場合もあります。歯周外科を必ず勧めるわけではありませんので、治療相談した上でそれぞれの患者さんに合った歯周病との付き合い方を提案したいと考えております


歯周病治療は患者さんにとっても根気のいる治療です。継続的に通院する時間を生活の中から作るのは大変なのは承知していますが、放置していると知らずに重症化する怖い疾患です。成人の約8割が罹患しているとも言われていますが受診率はまだまだ低いです。
まずは第一歩として簡易的な検診でも良いので歯周病検査を受けてみましょう




 

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