【参加報告】Global Dental Wing 2025から見えた、これからの歯科医療の進化
- 2025.12.15
- #研修セミナー
【参加報告】Global Dental Wing 2025から見えた、これからの歯科医療の進化
2025年11月末に開催された「グローバルデンタルウィング2025(Global Dental Wing 2025)」に、当院院長が参加してきました。
このセミナーは、日本から世界中へ歯科医療の最前線に立つ臨床家や研究者が集まり、最新の治療技術、材料、デジタル機器、そして未来の歯科医療の在り方について発信される貴重な場です。
今回はその中でも特に印象的だった内容を、患者さまにも分かりやすくご紹介したいと思います。
審美歯科治療・セラミックやダイレクトボンディングなど審美歯科の進化
これまでの審美治療におけるセラミック治療においては、その修復物の審美的調和もさることながら周囲の歯周組織の美しさも際立つ症例を多く目にしました。素材自体やテクニックによる色の再現というのももちろん大事ではありますが、機能し、触れる組織への親和性、そのための診断や術式、そして長期予後を読めるというところが重要かと感じました。
またダイレクトボンディングは、レジンと呼ばれる樹脂系の材料を使って、最小限の介入で美しさと機能を回復できる治療として注目されていました。これにより、治療の選択肢がさらに広がっていくと感じました。色の選択の仕方、その素材、メーカーによる色の出し方の特徴などを読み取ることが成功の秘訣となることをデータを元に提示していただけました。
歯周外科の再建技術の進化
歯ぐきが下がってしまった方や、インプラント予定部位の骨・軟組織を再建する移植術も、技術革新が進んでいます。日本人を含め、アジア人は唇・頬側の歯肉が薄く、リスクの高いフェノタイプの歯肉の比率が高いため、軟組織に対するアプローチが必要なケースも多いです。
こういった術式の需要もさることながら、未然に防ぐ予防の重要性も感じました。
より長期的に安定し、見た目も自然な口元を維持することが可能にするためには予後を予測するためにも歯周組織の個性という診断もより細かくする必要性があります。今後、当院でも必要に応じてこれらの技術を取り入れるべく、情報収集を進めています。
アライナー矯正やインプラントも、より精度の高い時代へ
インビザラインに代表されるアライナー矯正や、インプラント治療も、材料とシステムの両面で確実に進化しています。
特に印象的だったのは、アライナーの素材自体が大きく進化しているということです。矯正力、適合、アタッチメントの不要など、現代の3Dプリンティングの技術によるアライナーのホールド力や、アライナー自体の形状記憶の技術によりアライナー矯正自体が大きく変革をとげているのに驚きました。
当院も矯正システムの切り替えも将来的に検討が必要な時期がきているのかなと感じました。
オーラルスキャナー・フェイススキャナーなど、デジタル機器の進化
当院でも導入している口腔内スキャナー(トリオス5)に加えて、顔貌を立体的に記録するフェイススキャナーなども展示・解説されており、歯科医療のデジタル化が一層進んでいることを実感しました。
これにより、患者さんへの説明もよりリアルに・分かりやすく行えるようになり、また口腔内と顔の調和や、位置関係をより正確に歯科技工士さんに伝えられることにより、ミスの減少や精度の向上にもつながっています。
驚きの3Dプリンティング技術
今回もっとも驚いたのは、歯科領域における3Dプリンティング技術の進化です。
先ほどのアライナー矯正をはじめとし、補綴物(かぶせ物)、サージカルガイド、仮歯、矯正用リテーナーなどが、デジタル設計 → 3Dプリント → 口腔内に装着という工程で一気に進められる時代が、すぐそこまで来ています。
今後の診療において、スピード・精度・患者満足度の三拍子が揃った歯科医療を目指す上で、欠かせないテクノロジーとなるでしょう。
まとめ:未来を見据えて、今できることを
今回のセミナーを通して、これまでの歯科医療の進化と、これからの変化をリアルに体感できました。
当院としても、必要以上に新技術へ飛びつくことはせず、本当に患者さまの利益になるものだけを選び取りながら、一歩ずつ進化していきたいと考えています。
📍 上越インター前
生体に調和した機能美を目指す予防型歯科医院 》》 デンタルオフィスK
記入者この記事を書いたメンバー

