保険の被せ物とセラミックの違いをご存知ですか?
- 2025.10.25
- #治療
保険の被せ物とセラミックの違いをご存知ですか?
〜見た目だけでない「本当の違い」とは〜
歯科医院で虫歯治療を行うと、最終的に「被せ物(クラウン)」を装着することがあります。
その際、「保険で治せますよ」と言われたけど、セラミックとの違いがよくわからない」
そんな声を患者さんからいただくことがあります。
今回は、当院でご案内しているオールセラミックやジルコニアクラウンと、保険適用の被せ物(CAD/CAM冠や金属冠など)との違いについて、実際の臨床経験をもとにご紹介します。
■ 保険の被せ物は「必要最低限の治療」
まず知っていただきたいのは、保険治療は“機能の回復”を目的とした、国が定めた最低限の治療であるということです。
代表的な保険の被せ物には以下の種類があります
- CAD/CAM冠(ハイブリッドレジン)
現在は前歯や小臼歯などに限定され、色は白くなりましたが、素材の性質として吸水性があり、経年劣化が起こりやすいという特徴があります。 - 金属冠(FMCやチタン冠)
保険適用の金属は、強度はありますが審美性が乏しく、金属アレルギーのリスクや、プラークがつきやすい素材とされています。 - PEEK冠
こちらは保険導入されたばかりの樹脂系素材で、軽量ですが咬耗や変色、適合性の課題が指摘されており、当院では取り扱いはしていません。
保険の被せ物は、あくまで「咬めるように戻す」ことが目的です。
ですが、長期的な耐久性、見た目の自然さ、歯ぐきとの調和までは考慮されていないケースも多く、治療後数年で「劣化してきた」「また虫歯になった」といった問題が起きやすいのが実情です。
■ セラミックのクラウンが選ばれる理由
一方、当院で提供しているオールセラミックやジルコニアは、以下のようなメリットがあります:
- プラークがつきにくい表面性状で、歯周病や二次カリエスのリスクを抑えられる
- 歯ぐきとの親和性が高く、長期的に美しさを保てる
- 色調が非常に自然で自分の歯と見分けがつかないほどの審美性
- 金属を使わないので金属アレルギーの心配がない
これらの特徴から、治療のやり直しリスクが少なく、将来的な医療費や通院回数を減らす選択肢として、働き世代の方を中心に支持されています。
■ 当院の考え方と治療費について
当院では、保険の被せ物も状況に応じてご案内はしていますが、虫歯を再発させない、歯ぐきを健康に保つという長期的な視点から、セラミックを第一選択とされる方が増えています。
- オールセラミッククラウン:8〜10万円(税込)
- ジルコニアクラウン:10〜13万円(税込)
※治療部位や形態により異なります
「保険が効くなら安く済ませたい」というお気持ちも理解できます。
ですが、その場しのぎの治療を繰り返すことが、結果的に歯の寿命を短くしてしまうリスクもあります。
(支払いについてはクレジットカードでの分割やデンタルローンなどの方法で支払いを分散する手法もあります。)
■ 保険治療=ダメではありません
誤解のないようにお伝えしたいのは、保険治療が「悪い治療」なのではないということ。
国の制度のなかで、一定の範囲で提供できるとてもありがたい選択肢です。
しかし、私たち歯科医師が見ているのは数ヶ月先や1年後の結果ではなく、5年後10年後の口腔内です。
- 「この治療はどのくらいもつか?」
- 「また再治療にならないためには?」
- 「健康な歯をどれだけ守れるか?」
そういった視点で患者さんと治療方針を一緒に考えたいと思っています。
最後に|「一緒に選ぶ治療」が理想です
歯科医療は、素材や金額だけで選ぶのではなく、「ご自身の価値観に合った選択肢」を見つけていくことが大切です。
保険か自費か、白いか銀歯か、という話ではなく、
「自分の歯を長く守るために、どの治療が本当に自分に合っているのか」を考える機会になれば幸いです。
当院では、初診時に治療内容を丁寧に説明し、無理なご提案はいたしません。
ご自身に合った治療を一緒に考えていきましょう。
📍 上越インター前
生体に調和した機能美を目指す予防型歯科医院 》》 デンタルオフィスK
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