SRP オンラインセミナー
- 2022.05.09
- #研修セミナー

先日、診療終了後に歯科衛生士のオンラインセミナーを受講🙋🏼♀️
実習も交えて、SRPのの基本を確認ができました✨
本セミナーは歯科衛生士によるSRPの基本を振り返るセミナーでした。
基本的な考え方から、キュレット(歯石をとる器具)の動かし方の基本を再確認しました。テクニックは様々な手法がありますが1つのテクニックとして学びになりました。
何年キャリアを積んでも基本はとても大切にしています👍🏻
自分自身のスキルの確認、新人教育のための知識の確認にもなり充実した時間でした😊
SRPとは『スケーリング』と『ルートプレーニング』を一連の作業として行うことをのの頭文字を取ってSRPと呼んでいます。
『スケーリング』とは歯肉の表面の歯石やバイオフィルム(細菌の塊)をスケーラーと呼ばれる器具で取り除くことを言います。
『ルートプレーニング』とは歯肉の深い位置の歯石や汚染されたセメント質を除去し歯根面を滑沢にする処置です。
SRPに使用する器具は超音波スケーラー、手用スケーラー、エアースケーラーなど様々あり、これらを歯石の付き方、歯根の形、歯肉のタイプ(薄さなど)を見て症例により使い分けを当院では行っています。メーカーによっても製作のコンセプトが異なるため道具に対する理解度も重要です。
では、そもそもSRPは何故必要なのでしょうか?
・『スケーリング』の目的
私たちは歯垢を落とすように毎日、歯磨きをしています。しかし、どんなに丁寧に磨いても磨き癖などにより多少の磨き残しはあります。それらが蓄積していくと歯石となります。
困ったことに、歯垢は時間が経って歯石へと変化すると、ブラッシングでは取り除けなくなってしまいます。歯石は表面がザラザラとしているので、より一層歯垢が溜まりやすくなります。
この負のスパイラルを断ち切るために、軽度のうちからスケーリングによる歯石の除去が必要になるというわけです。
・『ルートプレーニング』の目的
ルートプレーニングが必要になるのは、主に中等度の歯周病となります。
中等度以上の歯周病では、歯肉の縁よりも下、つまり歯周ポケットの内部に溜まった歯垢が歯石化していることが多くあります。
歯根面にプラークが付着すると、細菌の内毒素がセメント質に浸透して、汚染セメント質となります。この汚染セメント質があると、歯石を取り除いても歯肉が歯根の表面にくっつかず、歯周ポケットが改善しにくい状態を生み出してしまいます。
ですから、歯石を取り除いた後はルートプレーニングで汚染セメント質を除去して歯肉の付着を促し、かつ歯根表面をツルツルと滑らかな状態にして、歯垢が溜まりにくい状態にするのです。
SRPの必要性の有無はレントゲンや歯周病の検査による出血・排膿の状態を見て判断する必要があります。
必要以上のSRPは組織を傷つけますが、必要なのにも関わらず放置していると歯槽骨などの組織の吸収を引き起こしてしまう場合があります。重度の場合には歯周外科処置も必要かもしれません。メインテナンスでの経過観察をなんでもかんんでもして良いわけではありません。深い位置に感染を残したまま、表面のクリーニングだけ繰り返し行い、症状が出てきた時には大きい処置が必要なんてこともあります。治癒の経過を見るためにもレントゲンも含め定期的な検査がおすすめです。
SRPで注意が必要なこと
スケーリングとルートプレーニングは保険診療でも行われる治療法ですが、中等度~重度の歯周病の場合はいくつか注意が必要です。
歯茎の切開が必要な場合も
重度に進行した歯周病では、歯周ポケットの奥深くに歯石が付着しています。歯周ポケットの深部は複雑な形になっていることが多く、スケーラーが届きにくくなっています。 また、目視で確認することもできません。 そのため歯周ポケットが深い場合には、歯茎を切開して目で見て確認できるようにした上で、スケーリング・ルートプレーニングを行うことがあります。これを「フラップ手術」といいます。
歯の削りすぎに注意
ルートプレーニングを行う際には歯のセメント質を削りすぎないようにする必要があります。歯根部分には硬い「エナメル質」がないために、比較的簡単に削れてしまいます。削りすぎると知覚過敏を引き起こす可能性もありますので、特に深い歯周ポケットの場合、治療者の技術が必要になります。
当院でのSRP
表面の歯垢の除去→表面の歯石取り→SRP→歯周外科・再生療法(※必要に応じて)といった流れで行います。
処置の段階を踏むにあたり検査を行います。『なぜ何回も検査を?』と疑問に思われるかもしれません。保険診療においてはこれは決まり事です。臨床的に見てもこの検査は、治療による組織の反応を再評価し、更なる治療の必要の有無、リスク部位の特定のために重要です。病院で治療前後に行う血液検査のように、歯周病の検査も再評価により治療の効果、体の状態を把握する上で大切なのです。
SRPは歯石を積極的に取るべきなのか、洗浄程度で十分なのかなど検査やレントゲンにより判断します。歯周ポケットが数値的に深くても炎症は無く、歯肉の厚みがあるだけであれば積極的なSRPは必要無い時もあります。浅い歯周ポケットだとしても、被せ物の接着剤の取り残しがあったり、親知らずがぶつかって器具が入っていかなく、見た目上は数値は低くともアプローチが必要なものもあります。レントゲン撮影をしないと見つからないものもあるのです。
また歯周再生療法などの再生を促す歯周外科処置においては、初期治療で歯茎を引き締めすぎると、再生材料を覆う歯肉の高さが足りなくなってしまうことがあるため、外科処置の際に中の汚れを取り除くことを前提として、SRPの初期治療時には、わざと深い位置の歯石などを取らないようにプランニングすることもあります。(術前に出血・排膿などのコントロールはする)
このように、当院ではSRPという歯周基本治療においても、検査結果、全顎の状態、ホームケアの状態、全身状態、生活背景など様々な要因を考慮して個々に合わせた治療から予防までのプランニングをチームで行うことを念頭においています。
歯周治療は重度になると長い治療となりますが安定期まで持っていければ、メインテナンスをメインとして治療介入の回数はかなり減らせます。これは医療費負担を減らすことにも繋がるのです。
治療の進め方に不安がある方は、院長、スタッフに気軽にお声がけください
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